NO19【信用保証協会融資とプロパー融資の違い】

2024/11/26 19:51:16 - By zaimclinic
資金繰り改善
資金繰り改善 NO19

【信用保証協会融資とプロパー融資の違い】


●中小企業が知っておきたい!信用保証協会融資とプロパー融資の違いを徹底解説

中小企業にとって、事業を拡大したり、運転資金を確保したりするために、金融機関から融資を受けることは避けて通れないプロセスです。しかし、「融資」と一口に言っても、その種類や仕組みにはいくつかの違いがあります。

特に、中小企業が利用することの多い 信用保証協会融資 と プロパー融資 には、それぞれ異なる特徴やメリット・デメリットがあります。この記事では、両者の違いを分かりやすく解説し、経営者の皆様が適切な選択をできるようお手伝いします。
1. 信用保証協会融資とは?

(信用保証協会の役割)

信用保証協会は、金融機関から融資を受けたい中小企業を支援するための公的な機関です。企業が融資を受ける際に「保証人」としての役割を果たし、万が一企業が返済できなくなった場合には、信用保証協会が金融機関に対して一定額を肩代わりします。

(信用保証協会融資の仕組み)

信用保証協会融資では、中小企業が金融機関に融資を申し込む際、信用保証協会がその融資に対して保証を行います。具体的には、以下のような流れになります:

・中小企業が金融機関に融資を申し込む。

・金融機関が信用保証協会に保証を依頼する。

・信用保証協会が審査を行い、保証を引き受ける。

・金融機関が融資を実行する。



(メリット)

・信用力が低くても融資が受けやすい
 金融機関は信用保証協会が保証しているため、リスクが少なく、企業の信用力が十分でなくても融資に応じやすくなります。

・金利が比較的低い
 信用保証協会の保証があることで、金融機関は低い金利で融資を提供する場合が多いです。

・返済期間が長い場合が多い
 長期的な資金計画に対応できる融資が受けられることがあります。


(デメリット)

・保証料が必要
 信用保証協会に支払う保証料が発生します。これは融資額や期間に応じて異なりますが、追加的なコストとなります。

・手続きが煩雑
 信用保証協会の審査があるため、プロパー融資と比較して時間がかかる場合があります。


2. プロパー融資とは?

(プロパー融資の仕組み)

プロパー融資(または直接融資)は、金融機関が信用保証協会を通さずに、自社の信用力に基づいて直接融資を行う形態です。つまり、金融機関と企業が直接やり取りし、融資が実行されます。

(メリット)

・保証料が不要
 信用保証協会を介さないため、保証料を支払う必要がありません。その分、資金調達コストを抑えられます。

・スピーディーな手続き
 信用保証協会を介した手続きがないため、融資がスムーズに進むことが多いです。

・信用力の向上につながる
 プロパー融資を受けることで、企業の信用力が高いと金融機関から評価される場合があります。これは、今後のさらなる資金調達にもプラスに働きます。



(デメリット)

・信用力が必要
 金融機関は企業の返済能力を厳しく審査するため、信用力や過去の実績が不足している場合には、融資を受けることが難しくなります。

・金利が高い場合がある
 信用保証協会の保証がない分、金融機関はリスクを負うため、金利が高めに設定されることがあります。

・融資金額や返済期間に制限がある
 信用力や事業計画によっては、融資額が希望より少なくなる場合や、返済期間が短めに設定される場合があります。



3. 信用保証協会融資とプロパー融資の比較表
特徴 信用保証協会融資 プロパー融資
保証人の役割信用保証協会が保証 自社が直接保証
  融資審査の難易度 比較的受けやすい 難しい場合が多い
保証料の有無 必 要 不 要
金 利 比較的低い やや高めの場合がある
  手続きの煩雑さ 煩雑で時間がかかる場合がある シンプルでスピーディー
信用力への影響 信用力への影響は限定的 信用力向上につながることがある
融資額や返済期間 大きな融資や長期返済が可能 制限がある場合がある

4. どちらを選ぶべきか?

中小企業がどちらの融資を選ぶべきかは、企業の状況や目的によって異なります。

(信用保証協会融資が適している場合)

・初めて融資を受ける場合

・信用力がまだ十分でない場合

・長期的な資金調達を希望する場合

・比較的低金利での融資を重視する場合

(プロパー融資が適している場合)

・ある程度の信用力や実績がある場合

・手続きの迅速さを重視する場合

・保証料を削減して資金調達コストを抑えたい場合



5. 融資を成功させるためのポイント

・事業計画書を充実させる
 どちらの融資を選ぶにしても、金融機関や信用保証協会に対して、しっかりとした事業計画書を提示することが重要です。

・財務状況を整理する
 過去の決算書や収支計画を明確に整理し、信頼性の高い資料を用意することで、融資がスムーズに進みます。

・専門家に相談する
 税理士や財務コンサルタントに相談することで、最適な融資方法や手続きの進め方についてアドバイスを受けることができます。


(まとめ)

信用保証協会融資とプロパー融資は、それぞれメリットとデメリットがあり、中小企業の状況や目的に応じて使い分けるべきものです。特に初めて融資を検討する場合や、信用力が十分でない企業は信用保証協会融資を選ぶことで、資金調達の道が開ける可能性があります。一方で、成長を続けている企業や信用力に自信がある場合は、プロパー融資を選ぶことでコスト削減やスピーディーな手続きの恩恵を受けられるでしょう。

自社に合った融資方法を見極めるためには、金融機関や専門家との相談を積極的に行うことが重要です。融資の選択肢を正しく理解し、事業を次のステージに進めるための資金調達を成功させましょう!