NO158【資金繰りが苦しい時の資金調達 その4】

2025/03/10 9:17:30 - By zaimclinic
資金繰り改善 NO3
資金繰り改善 NO158

【資金繰りが苦しい時の資金調達 その4】

 

信用不安でも諦めない!資金繰りを支えるノンバンク活用法

はじめに

事業を運営するうえで、資金繰りは経営の生命線です。しかし、業績の悪化や過去の債務整理などの影響で金融機関からの借入が難しくなり、信用不安に直面する企業も少なくありません。そのような状況でも、資金調達を諦める必要はありません。

特に、銀行融資が難しい場合に頼りになるのが「ノンバンク」です。ノンバンクとは、銀行以外の金融機関を指し、事業者向けの融資を行う会社やリース・ファクタリングを提供する企業が含まれます。本記事では、ノンバンクの仕組みと活用法を解説し、信用不安に悩む企業でも資金繰りを確保する方法を紹介します。




ノンバンクとは?銀行融資との違い

ノンバンクとは、預金業務を行わず、融資を専門とする金融機関のことを指します。代表的なノンバンクの種類としては、以下のようなものがあります。

  • 消費者金融系(事業者向けローン)
  • 商工ローン(中小企業向け融資)
  • リース会社(設備投資支援)
  • ファクタリング会社(売掛金買取)

銀行とノンバンクの違いを整理すると、次のようになります。


項目

銀行融資

ノンバンク

審査基準

厳格(信用情報や財務状況を重視)

柔軟(事業の将来性や資産価値を考慮)

融資スピード

遅い(1ヶ月以上かかる場合も)

早い(最短即日〜1週間程度)

金利

低い(1〜5%程度)

高い(5〜15%程度)

必要書類

決算書、事業計画書など詳細な書類

比較的少ない

保証・担保

担保・保証人が必要な場合が多い

無担保・保証人なしも可能


このように、ノンバンクはスピード感があり、審査基準が銀行よりも柔軟であるため、信用不安を抱える企業にとって有力な選択肢となります。




ノンバンクの具体的な活用方法

 

ノンバンクは資金調達の選択肢を広げる手段として非常に有効です。しかし、「どの方法をどう使えばいいのか」「具体的にどのような場面で活用できるのか」といった疑問を持つ経営者も多いでしょう。

ここでは、ノンバンクの代表的な資金調達方法について、より詳細に解説します。




1. 売掛金を資金化する「ファクタリング」

ファクタリングとは?

ファクタリングは、企業が保有する「売掛金」をファクタリング会社に売却し、早期に資金化する仕組みです。通常、売掛金は取引先からの入金を待たなければなりませんが、ファクタリングを使えば最短即日で資金化できます。


ファクタリングの種類

  1. 2社間ファクタリング(企業とファクタリング会社のみ)
    • 売掛先(取引先)に通知せずに売掛金を売却する方法
    • 利用企業にとっては取引先との関係を気にせず資金化できる
    • その分、手数料が高め(〜)
  2. 3社間ファクタリング(企業・売掛先・ファクタリング会社)
    • 売掛先にも承認を得て、売掛金を売却する方法
    • 手数料が低め(〜)だが、取引先の理解が必要


ファクタリングが有効なシーン

  • 売掛金の回収サイトが長く、運転資金が不足している場合
    • 例:取引先の支払いサイトが日後で、資金繰りが厳しい
  • 銀行融資の審査に通らなかったが、売掛金はある場合
    • 例:信用情報に問題があり、銀行の融資が受けられない
  • 急な仕入れや人件費の支払いが必要な場合
    • 例:受注はあるが、先に材料費が必要


ファクタリングの注意点

  • 手数料が発生するため、売掛金の全額は受け取れない
  • 2社間ファクタリングは手数料が高くなりがち
  • 売掛先が信用不安を抱えていると利用が難しい



2. 短期運転資金を確保する「ビジネスローン」


ビジネスローンとは?

ノンバンクが提供する「ビジネスローン」は、銀行融資と比べて審査が早く、無担保・保証人なしでも借りられる資金調達方法です。特に、短期間での資金ニーズに対応しやすいのが特徴です。


ビジネスローンの種類

  1. 無担保ビジネスローン
    • 担保不要で利用可能だが、金利は高め(〜)
    • 比較的少額(万円〜万円)
  2. 不動産担保ローン
    • 不動産を担保に入れることで、大口の資金調達が可能
    • 金利は低め(〜)だが、担保が必要
  3. 信用保証付きビジネスローン
    • 信用保証協会が保証するため、銀行融資に近い条件で借入可能
    • 審査は厳しめだが、金利は比較的低め


ビジネスローンが有効なシーン

  • 急な資金ニーズが発生した場合
    • 例:取引先から急な大量発注があり、仕入れ資金が必要
  • 銀行融資の審査に時間がかかる場合
    • 例:銀行融資はヶ月かかるが、週間以内に資金が欲しい
  • 信用不安で銀行融資が難しい場合
    • 例:過去の返済履歴が悪く、銀行が貸してくれない


ビジネスローンの注意点

  • 銀行融資よりも金利が高いため、長期借入には不向き
  • 返済不能になると信用情報に影響を与える



3. 設備投資には「リース・レンタル」


リース・レンタルとは?

企業が設備や車両を購入せず、一定期間利用する代わりに月額費用を支払う方法です。


リースとレンタルの違い

項目

リース

レンタル

契約期間

長期(3〜10年)

短期(1日〜1年)

途中解約

原則不可

可能

コスト

長期なら割安

短期なら割安

所有権

なし

なし


リース・レンタルが有効なシーン

  • 高額な設備投資を抑えたい場合
    • 例:工場の機械設備や機器を導入したい
  • 短期間だけ特定の機材を使いたい場合(レンタル)
    • 例:イベント用の音響設備を週間使う


リース・レンタルの注意点

  • 長期間利用すると購入したほうが安くなるケースもある
  • リース契約は基本的に途中解約ができない



4. 仕入れ代金の支払いを延ばす「支払い代行・手形割引」


支払い代行とは?

ノンバンクが企業の仕入れ代金を立て替え、後から分割払いで支払えるようにする仕組みです。


手形割引とは?

手形を現金化することで、資金繰りを円滑にする方法。銀行でもできるが、ノンバンクのほうが審査が柔軟でスピードが早い。


支払い代行・手形割引が有効なシーン

  • 仕入れ代金の支払いを先延ばしにしたい場合
  • 取引先から受け取った手形をすぐ現金化したい場合


注意点

  • 手数料がかかるため、資金調達コストが増える
  • 信用力が低いと利用できない場合もある
 


ノンバンクを活用する際の注意点

 

ノンバンクは、銀行融資が難しい場合や急な資金ニーズがある際に非常に有効な資金調達手段ですが、慎重に活用しないと資金繰りが悪化するリスクもあります。

ここでは、ノンバンクを利用する際の具体的な注意点を詳しく解説します。




1. 高金利・高手数料に注意する

ノンバンクの金利・手数料の相場

ノンバンクの融資は、銀行と比較して金利が高めに設定されています。また、ファクタリングや手形割引などのサービスは手数料が発生し、実質的な調達コストが高くなることがあるため注意が必要です。


資金調達方法

金利・手数料の相場

ノンバンクのビジネスローン

年5〜15%

ファクタリング(2社間)

売掛金の5〜20%

ファクタリング(3社間)

売掛金の1〜5%

手形割引

額面の2〜10%

リース

年間リース料に応じる(割高になるケースあり)


金利・手数料で注意すべきポイント

  • ビジネスローンの場合、金利が銀行よりも高いため、長期借入には向かない。
  • ファクタリングは資金化が早いが、手数料が高いため、頻繁に利用すると資金繰りが悪化する可能性がある。
  • 手形割引も金利が高いため、長期的な利用は慎重に考えるべき。

対策

短期間の利用にとどめる(長期借入には不向き)<br> ✅ 手数料を事前に比較する(複数社で見積もりをとる)<br> ✅ 返済計画をしっかり立てる




2. 悪質な業者・ヤミ金融に注意する


違法業者の特徴

ノンバンクの中には、正規の金融機関として登録されていない違法業者(いわゆるヤミ金融)も存在します。こうした業者を利用すると、法外な金利を請求されたり、強引な取り立てを受けたりするリスクがあります。


ヤミ金融の見分け方

金融庁の登録があるか確認する(登録貸金業者かどうかを「金融庁の貸金業者登録一覧」で確認)

異常に高い金利(年以上)を提示してくる業者は避ける
審査なしで即日貸付を強調する業者には注意
契約書の内容が不明瞭な業者は避ける


対策

金融庁の登録がある正規の業者を利用する
口コミや評判を事前にチェックする
契約書の内容をしっかり確認する




3. 返済計画をしっかり立てる


借りすぎ・利用しすぎのリスク

ノンバンクは銀行よりも審査が柔軟なため、短期間で複数の融資を受けられることがあります。しかし、必要以上に借りすぎると、返済負担が重くなり、資金繰りが悪化してしまう可能性があります。


返済シミュレーションの重要性

例えば、年利で万円を借りた場合、年間の利息だけで万円になります。もし返済が遅れると、遅延損害金(通常年)が発生し、さらに負担が増えます。


対策

資金調達前に、返済計画を作成する
月々のキャッシュフローを考慮し、無理のない借入額に抑える
複数のノンバンクを併用せず、可能な限り一本化する




4. 長期的な資金調達手段としては不向き


ノンバンクは短期資金調達向き

ノンバンクの資金調達は、基本的に「短期間の資金繰り調整」に適したものです。金利や手数料が高いため、長期的な資金調達手段として利用すると、財務の健全性が損なわれる可能性があります。


対策

長期資金調達は、銀行融資や補助金・助成金の活用を検討する
ノンバンクの利用は「つなぎ資金」として限定する




5. 必要書類や審査基準を事前に確認する


ノンバンクの審査基準とは?

ノンバンクは銀行よりも審査が柔軟とはいえ、まったく審査なしで融資を受けられるわけではありません。特に以下のポイントが審査対象になります。


売上・利益の状況(赤字続きだと厳しい)

借入状況(他の金融機関での滞納履歴があるとマイナス評価)

売掛先の信用力(ファクタリング利用時)


スムーズに審査を通すために準備すべき書類

  • 決算書(直近〜年分)
  • 試算表
  • 売掛金リスト(ファクタリング利用時)
  • 借入状況一覧


対策

事前に必要書類を揃えておく
他の借入状況を整理し、過剰債務を避ける
売掛先の信用を高め、ファクタリング審査を有利にする

 



まとめ:信用不安でも諦めずに資金繰りを確保しよう!

信用不安がある企業でも、ノンバンクを活用すれば資金調達の道は開けます。特に、ファクタリングやビジネスローン、リースなどの手法を状況に応じて使い分けることで、柔軟な資金繰りが可能です。

資金調達でお困りの方は、当社の専門アドバイザーにぜひご相談ください。最適な資金繰りの方法をご提案し、貴社の経営をサポートいたします!